大阪府箕面市、箕面駅からほど近い聖天宮西江寺では、毎年10月15日・16日に秋季大祭「天狗まつり」が行われます。地元では古くから親しまれてきた秋の風物詩で、境内や町内を天狗や神楽が駆け巡り、太鼓と掛け声が夜空に響き渡ります。
祭りの起源は定かではありませんが、江戸時代末にはすでに記録が残されている伝統行事。天狗に頭や背を叩かれると「子どもは元気で賢く育つ」「女性は子宝に恵まれる」との言い伝えがあり、今も多くの人がその力を授かろうと参拝します。
宵宮(15日夜)と本宮(16日夜)には、暗闇の中で天狗や獅子舞が舞い、威勢のよい掛け声「やらまい!」が響き、迫力ある雰囲気に包まれます。昼には天狗が町を巡り、家々の邪気を祓う「悪魔払い」も行われます。境内には露店も並び、家族連れや観光客で賑わいます。ご住職の奥さまにお話しを聞くと、「邪気払いで頭を叩かれるので、小さなお子様やメガネをかけている方は気をつけてください」とのこと。
アクセスは阪急「箕面駅」から徒歩5分。駐車場はないため公共交通機関の利用が安心です。秋の箕面散策とあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。天狗に追いかけられ、笑い声が響く夕暮れ時——地域に息づく伝統と活気を肌で感じられるはずです。 取材協力=西江寺、写真提供=箕面市観光協会
〒562-0001 箕面市箕面2丁目5‐27
☎ 072-721-3190
高野山真言宗の寺院で、役行者によって仏教の修行地として開かれた大聖歓喜天と蟲供養で有名なお寺。